どうも、hiroueです。
現在、オーストラリアのブリスベンにある大学院に、妻と息子と一緒に留学をしています。
クイーンズランド大学のBEPという、大学に直結した語学学校に通いましたので、そちらでの様子をお伝えします。
そもそも大学直結の語学コースとは
通常、英語圏の大学院に入学する際には、IELTSやTOEFLなどのスコアを求められます。
ただ、英語力だけを判断基準にしてしまうと、「英語が得意な生徒=優秀」みたいな軸になってしまい、「英語ができないけど、優秀」という生徒を獲得できません。
なので、そうしたことを防ぐために大学は、英語のスコア以外のGPAや履歴書だけで合格を出し、その後然るべき時期までに英語のスコアを出してくれればいいよという「条件付き合格」を用意しています。
アメリカの大学はよくわからないのですが、イギリスやオーストラリアではこの条件付き合格は一般的です。
で、この大学直結の語学コースというのは、条件付き合格をしたけれども、指定の期日までにIELTSのスコアを取るのではなく、大学が提供する語学コースを卒業することで、IELTSやTOEFLを免除してもらうコースのことをいいます。
このコースの呼び方は大学によって様々です。クイーンズランド大学の場合は、BEP(Bridging English Program)でした。
留学は初めてだったので、日本でテスト対策を進めるのではなく、大学院に入って困らないために英語環境に慣れたいと思い、このコースを受講しました。IELTSは当時6.0でした。(スピーキングは5)
IELTSの試験は水物です。実力があったとしても、必ず期日までに点数を揃えなければいけないというのは大きなプレッシャーです。
それなら、もうオーストラリアに行っちゃって、保証されてるほうがいいじゃんと考えました。
BEPの概要
持っている英語スコアによって長さが変わります。5週間刻みでのコースがあります。
BEP30,25,20,15,10ですね。
私はIELTS6あったのオーバーオールではBEP15に行けたはずなのですが、Speakingが5だったために、25週間での参加になりました。
費用も高いので、もう少し日本で頑張って対策して、期間を減らす努力をすればよかったかなと思っています。費用は、週あたり505$ですね。
IELTSなどが不要になるということで、足元を見た価格をつけているのがおわかりいただけます(笑)だいたい、cityの語学学校では、週あたり350$くらいです。
クラスの構成:驚くべき中国人率
上限18人のクラスです。
ここが一番驚いたのですが、90%は中国人です。
ここは中国か!と思うほどです。中国の国力を感じさせられますね。
1980年台にはこの比率は逆で、日本人が8割くらいだったとも聞きました。
そして、もう一つ事情があって、中国人は短期の語学留学ではオーストラリアビザが出ないんだそうです。だから、このような大学附属の語学学校に、大学に進学することとパッケージでないと来れません。
逆に、日本人はものすごく優遇されているので短期でも簡単にオーストラリアに来れるので、シティにある語学学校は日本人だらけになることが多いのです。
私は、3回クラスが変わりましたが中国、台湾以外で一緒になった外国人はイタリア人1人と韓国人1人だけでした。クイーンズランド大学だけでなく、オーストラリアの大学の付属コースは、このようになりやすいみたいですね。
私は、中国の学生たちと触れ合えたのがとても楽しかったです。
文化の違い、というよりも、思ったよりもみんな変わらないな、と。今や押しも押されぬ超大国の中国の、その未来を担う学生さんも、普通の若者なんだなと。
そして、勿論コミュニケーションは英語でしか取れませんので、会話の練習にもなります。
中国の生徒にとっては、私はいい練習台なのです。
みんなクラスを一歩出ると、いや、授業中も、中国語で会話しまくります。
それが望みならいいのですが、もっと英語話したいのにチャンスがないと感じている人もいましたので、可愛そうですね。私は、18人中16人が日本人のクラスに留学をしたいとは絶対に思いません。
学習内容はアカデミック
学校の最初から、このコースはIELTSを目標にはしません、と先生から宣言されました。
そりゃそうだろうと思っていたのですが、後々その意味がわかります。
学校の目的としては、大学に入ったときについていけるアカデミックな英語力をつけるというものです。課題でエッセイを書いたり、議論をしたり。
IELTSもアカデミックな試験とうたっていますが、6.5を取れたからって、それがそのまま大学で通じるかというと、難しいです。そうしたギャップを埋めることが目的なんですね。
授業の難易度や宿題は?
BEP10コース(最終コース)が始まるまでは、あまり難しくありませんでした。
まじめにやることをやっていればついていけます。
宿題は出ますが、自主性に任されているので、チェックもありません。
大学のサイトを使って進捗テストを毎週受けますが、これも義務ではありません。
BEP10コースに入ると、最終試験の準備が始まります。ここで一気に難易度が跳ね上がります。リスニングのスピードも桁違い。
また、ここから入ってくる学生は限りなくIELTSの合格点に近いので、みんな優秀です。
卒業試験の難易度は?
中国人の学生がそんなに多いということは、彼らの間で情報が飛び交っています。
最初の一ヶ月くらいはのんきに学校の課題を勉強するだけの日々を送っていたのですが、
「BEPの最終試験はIELTSよりはるかに難しい。そして、半数の生徒はBEPが終わるまでにIELTSで取ってしまう」
というものでした。
ここでようやくコースの最初に先生が言った「IELTS対策はしない」という言葉が理解できます。
みんな途中から、IELTS対策を始めるんですね。授業での課題もそっちのけで。で、授業への熱意も日に日に落ちていきます。ケータイいじりだします。
卒業試験では、毎年不合格者が一定数いるというのも聞きました。
私自身も、25週間もこっちにいて大学院に上がれないなんて、洒落にならないと思い、IELTSの勉強を再開しました。
語学学校の期間を約3ヶ月残して早期で獲得できたので、余裕を持って日々の暮らしをその後おくれました。結果的に、大学をクイーンズランド大学からQUTに変える際に絶対にIELTSが必要だったのでこの判断は大正解でした。
IELTSが最後まで取れず、IELTSよりも遥かに難しいBEPの最終試験を受ける心理的なプレッシャーは相当です。みんなの顔から日に日に笑顔がなくなります。中には泣き出してしまう人のいます。
付属の語学コースでも油断は禁物
甘い話はないということですね。
大学側も変に間口を広げすぎて、他の生徒の学びを邪魔するようなことはしません。
金銭的にも、安心を買うという意味でも、日本でIELTSをしっかり頑張ることがベストかもしれませんね。
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