日本の紙の種類は世界一!?ニッチな輸出にチャレンジしたい

日本の紙を世界に

どうも、hiroueです。
現在、オーストラリアのブリスベンにある大学院に、妻と息子と留学をしています。

私の前職は、家業である和紙問屋でした。
日本の紙の美しさに魅了され、奮闘しました

ただ、国内需要は先細りが完全に見えていて、もはや過当競争です。手漉きの職人さんの和紙でも、安くないと売れないとのこと。

そこで、私は海外に、インターネットを使って、日本の紙を輸出したい、そう考えるようになりました。

日本の紙の種類はおそらく世界一

先進国では、生産性が非常にキーとなっていて、アメリカやオーストラリアでの紙づくりは、完全に小品種多ロットの流れになっています。会社の数も少ないです。

売れるかどうかわからない紙を作るよりも、確実に動くものに絞り込んで、安くなるようにしているんですね。

一方日本では、多数の中小零細和紙・紙メーカーが存在します
自分たちの良いと思うものにこだわりを持ち、作り続けています
まさに、多品種小〜中ロットを地でいきます。

ヨーロッパでも高級紙である透かしの入った紙は、大手の製紙工場が大量に作るか、手漉きでごく少量を作るケースが殆どで、手軽に扱える中ロットくらいが存在しないそうで、ここにも日本の強みはありそうです。

デザイナーやアーティスト、使う側のニーズはどうだろう

デザイナーやアーティストは、皆が馴染んだ使い古された紙よりも、自分の表現にぴったりの素材を常に探し続けています

価格だけで決まるわけでは決してありません。

アメリカやオーストラリアなどでは、国内は大規模工場での紙だけになっているので、こだわりたい人に取っては当然輸入も視野に入ります。

BMWのカタログは、ドイツの小規模製紙工場のグムンドの紙を採用しているそうです。価格は高くても、そこには矜持があります。アカデミー賞のお手紙を入れた封筒も、グムンドです。

勿論クリエイターにとっても予算の壁は立ちはだかります。
ビジネスをしているので、当然ですね。

特に私が営業していた頃の日本企業では、興味を持ってはいただくのですが、予算等で進まないことが多々ありました。

また、様々な紙と出会う機会すらそんなに多くないのも現状です。

海外の方にとっては、日本の紙はおそらく選択肢に入ってくることが少ないと思います。

ただ、先程も申し上げたとおり、日本という国の紙づくりは小ロット多品種。探す努力さえ出来れば、選ぶ楽しさは無限です。

その他の国ではドイツやイタリアなどもそういう傾向にありますが、おそらく日本に種類数では軍配があがるのではと思います

実際にどうやってサービス化をするか

これまでの輸出といえば、大きな需要を見込んで一度に大量の紙を輸出していました。
少数のニーズはあれども、商社などが儲からない量では輸出はなされませんでした。

勿論今でもこの方法で輸出される紙は多々あると思います。

しかし、このインターネットショッピング全盛の時代。
世界中の紙と、それを使いたいと思う人のマッチングをしっかり出来れば、日本の紙にも勝機があるのではと考えます

紙づくりに熱心になる日本のメーカーさんが完璧を目指す一方、お客さまのニーズをついつい忘れてしまうことが、我々の業界ではよくあります。
ここが課題なんだと思います。

ストーリーも含めて、クリエイターが作りたいと思うものに合致させる。
これをインターネット上でインタラクティブに行う。

きっと大きな量を一度にさばくことは出来ないと思います。

しかし、少量でもファンが出来ていけば、それが漉かれた地方に興味を持ってもらえるかもしれません、他の人に紹介してくれるかもしれません、何より世界に自分の紙を求めてくれる人がいると知ることが出来、生産者のモチベーションにも繋がります

紙好きな人たちはどこの世界、どこの地域にも必ず一定数存在します。「紙博」というイベントに続けて出店してきましたが、お客様の目の輝きようは忘れられません。

現状の大きな問題点

紙質は、写真に写りにくい。このインスタグラム全盛の時代にあって、これは相当不利です

たくさんの種類があることが、視覚的にわかりにくい。(白い紙が100種類あっても、ネット上ではみんな同じに見えてします)

このあたりは、実際にサービスを作り込んでいく上で一番の課題であると思っていますので、しっかり考えます。特に、売れる紙が出来たらそれを他の会社も真似をする、というふうに繰り返してきたので、本当に似ているものも多いのです。

トライアンドエラーを繰り返す

正直なところ、すぐに大きな利益が出る事業とは言い難いです
大きな投資をして事業を創りにかかるのは相当リスキーです。

でも、ここにチャレンジしないと、日本の多品種な紙の魅力が埋もれたまま、消えていってしまう危機感を感じています

なので、自分で作りたいと思いました。

ITを学ぶことで、こうしたサービスのプロトタイプをまずは一人の力で組み上げてみる。そこから実際にチューニングして改善していく。
こうした基本的な考え方は、和紙業界ではかなり少ないです。

まとめ

こうして、自分のいた業界を盛り上げる発想を考えられるのは、おじさん留学生の楽しさです。

忘れられがちな日本的な良さをもう一度捉え直していきたいと思います。

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